リファレンス 基本
ポートフォリオの作り方
ポートフォリオは、作品を並べるだけの作品集ではなく、「何が作れて、仕事でどう役に立てるか」を採用担当者やクライアントに伝える資料です。このページでは、デザイナー・クリエイターが転職や案件獲得のためにポートフォリオを作る流れを、6つの手順にまとめました。手順ごとに、くわしいガイドやツールへ進めます。
ポートフォリオで伝えること
採用担当者は、限られた時間でポートフォリオに目を通します。そのとき確かめているのは、作品の出来ばえだけではありません。キャリアアドバイザーが確かめている観点は、大きく次の3つに分けられます。
| くくり | 確かめていること |
|---|---|
| ポートフォリオ設計 | 何が作れる人かが、すぐ分かるか。構成・見出し・作品の大きさなど、見やすく整理されているか |
| 課題解決・実務力 | 担当範囲・制作のプロセス・課題と成果から、仕事の進め方が分かるか |
| 提出品質 | 誤字・画像の粗さ・ファイルの重さなど、提出物として整っているか |
この3つのくくりにある21の観点は、ポートフォリオ作成コラム で1つずつ、見本のOK例・NG例つきで解説しています。
作り方の6つの手順
- 応募先と職種を決める何を見せるかは、職種によって変わります。応募する職種と、求人票で求められていることを先に確かめます。職種別の構成ガイド ・ 求人票との照合ワークシート
- 作品を集めて選ぶこれまでに制作した作品を書き出し、制作時期の新しさ、応募先の仕事内容との親和性、制作背景(仕事での制作か自主制作か)、自身の担当範囲を踏まえて、掲載する作品を選びましょう。載せたい作品が足りないときは、作品をつくるところから始めます。作品選びワークシート ・ デザイン制作ツールキット
- 構成を決める表紙・プロフィール・目次・作品の順が基本です。いちばん見てほしい代表作を、前のほうに置きます。ポートフォリオテンプレート ・ 目次や見出しで全体の構成が分かること
- 作品ページをつくる画像を主役にし、案件名・担当範囲・制作期間・課題と成果・プロセスを短く添えます。社名を出せない仕事は、伏せ方を工夫して載せます。作品説明の下書きツール ・ 作品の撮り方・モックアップのガイド ・ NDA作品の見せ方ガイド
- 書き出して確かめるPDFに書き出し、ファイルの重さ・画像の鮮明さ・誤字・素材の利用条件を確かめます。書き出し設定の早見表 ・ 素材・フォントのライセンス確認リスト ・ 提出前チェックリスト
- 提出し、面接にそなえる送るときのメールの文面と、面接で作品を説明する話し方を準備します。職務経歴書の職務要約・自己PRも、ポートフォリオと内容をそろえます。ポートフォリオの送り方・共有のしかた ・ 職務経歴書の書き方 ・ ポートフォリオのプレゼン台本 ・ 作品の深掘り質問の練習
いまの状況からどこを始めればよいか迷ったら、ポートフォリオ完成までのロードマップ で確かめられます。
基本の構成
| ページ | 入れること | 目安 |
|---|---|---|
| 表紙 | 名前・職種・作成した年月 | 1ページ |
| プロフィール | 職種・経験年数・得意なこと・使えるソフト・連絡先 | 1〜2ページ(全体の1割ほど) |
| 目次 | 作品のカテゴリと、載っているページ | 1ページ |
| 作品 | 代表作から順に。1作品に2〜3ページが目安 | 全体の9割ほど |
前置き(自己紹介や考え方)が長いと、作品にたどり着く前に読む手が止まります。プロフィールは短くまとめ、早い段階で代表作を見せます(前置きが短く、すぐに実績が始まること・制作実績が中心で、プロフィールが簡潔なこと)。形から整えるなら、ポートフォリオテンプレート を下敷きにできます。
作品ページに書くこと
作品ページは、画像が8〜9割、説明が1〜2割が目安です(作品が主役で、説明が簡潔に整理されていること)。説明には、次の5つを短く書きます。
| 書くこと | 見本(架空の案件) |
|---|---|
| 作品名・案件名 | クラフトソーダのパッケージリニューアル |
| 担当範囲 | パッケージデザイン(3案の提案から入稿まで)、店頭POP |
| 制作期間 | 2025年4月〜6月(約3か月) |
| 課題と成果 | 若い世代に手に取ってもらえていない → 店頭で目立つ色と、味が伝わる図案に変更。リニューアル後3か月の売上が前年同期の約1.2倍に |
| プロセス | 売り場の調査 → ラフ12案 → 3案を提案 → 色校正2回 |
観点ごとの書き方は、タイトル・担当範囲・制作期間・課題と成果・プロセス のコラムにあります。5つの質問に答えて下書きをつくるなら、作品説明の下書きツール が利用できます。
作品数・ページ数・ファイルの目安
- 作品数
- 職種によって3〜10点ほど
- ページ数
- 20〜30ページ(多くても40ページ)
- ファイルの重さ
- 20〜30MB(多くても50MB)
作品は、直近3年以内のものが7割以上あると、いま発揮できるスキルが伝わります(最近の制作実績が載っていること)。職種ごとの目安は 職種別の構成ガイド、書き出しの設定は 書き出し設定の早見表 にまとめています。
応募にはPDFを基本にし、動きや操作で見せたい作品はWebやプロトタイプのURLを添えます(Webポートフォリオの作り方)。映像は、1〜2分のリール(動画のURL)とPDFを組み合わせるのが一般的です。応募先の指定(ページ数・形式)があれば、そちらを優先します。
職種ごとに見られるところ
同じ「デザイナー」でも、採用担当者が主に見たいところは職種によって違います。代表作を選ぶときと、作品ページで説明を厚くするところの目安にしてください。
| 職種 | 主に見られるところ |
|---|---|
| グラフィックデザイン | 文字組みとレイアウトの基礎(情報の優先順位が整理されているか) |
| パッケージデザイン | 売り場での見え方(棚に並んだときに目に留まるか) |
| グッズデザイン | 作り方の制約への理解(色数・サイズ・素材・加工方法) |
| UI/UXデザイン | 課題の見つけ方と、解決までの考え方(作品の数より深さ) |
| Webデザイン | 目的(申込・購入など)に向けた構成と導線 |
| 映像デザイン | 最初の数秒で引き込めるか(リールの冒頭に代表作) |
| CGデザイン | 完成画像の質(質感・光・構図) |
作品数・ページ数・構成の例は、職種ごとに 職種別の構成ガイド にまとめています。
載せる前に確かめる権利
仕事で作った作品には、クライアントや勤め先の権利や、秘密保持の約束がかかっていることがあります。載せる前に、次の3つを確かめます。
- クライアントワーク・勤め先の作品は、ポートフォリオに載せてよいか(載せてよい範囲・時期)。社名や数字を出せないときは、伏せ方を工夫して載せる(NDA作品の見せ方ガイド)。
- 写真・イラスト・フォント・音楽などの素材は、ポートフォリオでの利用が認められているか(素材・フォントのライセンス確認リスト)。
- チームで作った作品は、自分の担当範囲をはっきり書き、他の人の仕事を自分の仕事に見せない。
作品が少ないとき・実務経験が浅いとき
- 架空の商品やお店を題材に、売るための制作物をつくる(デザイン制作ツールキット に、架空のブランドのお題と素材があります)。
- 自主制作・コンペの作品は、実案件と分かるように分けて見せる(実案件の作品が中心になっていること)。
- 点数を増やすより、1作品ごとに課題・プロセス・工夫を厚く書く。
よくある失敗
仕上げにAIで添削する
できあがったら、AIポートフォリオチェック で21の観点を確かめます。無料(会員登録が必要)で、観点ごとの判定と点数、直す順番と改善のアドバイスが分かります。直したあと同じファイル名でもう一度チェックすると、前回からの変化も分かります。人に見てもらう前の確認や、応募の直前の見直しに使ってください。
まとめ
- 応募する職種と、求人票で求められていることを確かめたか
- 応募先に近く、新しい作品を選び、代表作を前に置いたか
- 作品ごとに、担当範囲・制作期間・課題と成果・プロセスを書いたか
- 20〜30ページ・20〜30MBほどに収まり、誤字や素材の権利を確かめたか
- 面接で作品を説明する準備をしたか
ひととおりできたら、AIポートフォリオチェックで、採用担当者に伝わるかを確かめてみてください。