リファレンス 実案件の載せ方
NDA作品の見せ方ガイド
実務の作品ほど、秘密保持契約(NDA)や社内のルールで、そのままは載せられないことがあります。だからといって実績から外してしまうと、いちばん伝えたい経験が見えなくなります。載せてよい範囲を確かめたうえで、伏せる・置き換える・考え方だけを見せる、と段階を選べば、多くの案件はポートフォリオに残せます。
このページは一般的な考え方をまとめたものです。載せてよいかどうかは、契約の内容と、クライアント・会社の判断がすべてです。迷ったら、載せる前に必ず確認してください。
まず確かめること
- 契約と社内のルール秘密保持契約・業務委託契約・就業規則に、制作物の扱いがどう書かれているか。フリーランスなら契約書、会社員なら会社のルールを確認します。
- 公開されているかすでに世の中に出ているものか、未発表か。未発表のものは、発表されるまで載せません。
- 掲載の許可クライアントや上長に、ポートフォリオに載せてよいか、どこまでなら出せるかを聞きます。許可はメールなど、あとで見返せる形でもらっておきます。
- どこに出すか応募先にだけ送るPDFか、誰でも見られるWebサイトか。公開の範囲が広いほど、伏せる範囲も広くします(Webの公開範囲は Webポートフォリオの作り方)。
載せ方の4つの段階
上から順に、そのまま見せられる度合いが下がります。案件ごとに、確かめた結果に合う段階を選びます。
- A
許可を得て、そのまま載せる
公開済みで、クライアントや会社から掲載の許可を得られた場合。
「掲載許可済み」と書いておくと、見る側も安心できます。
- B
社名や固有の情報を伏せて載せる
公開済みだが、社名を出さないことが条件の場合。いちばん多い形です。
社名は業種と規模で(例:国内の化粧品メーカー)。ロゴ・商品名・実際の数値を伏せます。
- C
内容を置き換えて、再現して載せる
画面や紙面そのものは出せないが、デザインの考え方は見せたい場合。
架空のブランド名・ダミーの文章や写真に差し替えて作り直します。「再現(実案件をもとに内容を置き換え)」と明記します。
- D
制作物は出さず、考え方と役割を見せる
未公開・社外秘で、置き換えても出せない場合。
課題・担当範囲・判断したこと・成果を、文章とワイヤーフレームや図で説明します。
何を、どう伏せるか
| 伏せるもの | 伏せ方 | 書き方の例(架空) |
|---|---|---|
| 社名・ブランド名 | 業種と規模で書く | 大手飲料メーカーのキャンペーンLP(社名非公開) |
| ロゴ・商品名 | 消すか、架空のものに差し替える | 架空のブランド「MINAMO」に置き換えて再現 |
| 売上・申込数などの実数 | 変化の割合で書くか「非公開」 | 申込率 1.3倍(実数は非公開) |
| 写っている人物 | 素材の写真・シルエットに差し替える | モデルの写真を素材の写真に差し替え |
| 社内のツールや管理画面 | ワイヤーフレームで構造だけを見せる | 管理画面の構成を線画で説明 |
| 未発表の製品・発売前の情報 | 載せない | 発表後に追加する |
ぼかし・モザイクを使うときの注意
- 全体を強くぼかすと、作品そのものが見えなくなります。伏せるのは社名・数値など必要なところだけに。
- 弱いぼかしでは文字が読めてしまうことがあります。文字は消すか、差し替えるのが確実です。
- PDFの中に、見えない形で社名が残ることがあります。ファイル名・ページの外に残った画像・隠したレイヤー・文書のプロパティも確かめます。
説明の書き方(例)
伏せた分は、説明で補います。何の案件か・担当・成果が分かれば、社名がなくても実績として伝わります。作品説明の下書きツール を使うと、この形で下書きできます。(例はすべて架空です)
NG例伏せすぎて、何も分からない
某社の案件です。守秘義務のため詳細は載せられません。
OK例伏せたうえで、中身が伝わる
- 案件
- 大手飲料メーカーの新商品キャンペーンLP(社名非公開・内容を置き換えて再現)
- 担当
- 構成・デザイン(PC/スマホ)、バナー12点。実装は社内のエンジニア
- 期間
- 約6週間
- 成果
- 応募率が前回のキャンペーンの1.3倍(実数は非公開)
面接で詳しく話せる場合は「面接で、許可の範囲で詳しくお話しします」と書いておくのも一つの方法です。ただし、面接の場で見せる場合も、許可の範囲を超えないようにします。
載せてはいけないもの
- 発表前の製品・キャンペーン・価格などの情報
- お客さまや社員など、個人が分かる情報
- 社外秘の資料そのもの(企画書・社内向けの資料の画面)
- ほかの人が作った部分を、自分だけで作ったように見せること(チームの案件は担当範囲を書く)
まとめ
- 契約・社内のルールと、掲載の許可を確かめたか
- 案件ごとに、4つの段階のどれで載せるかを決めたか
- 伏せた分を、案件・担当・期間・成果の説明で補っているか
- ファイル名や文書のプロパティに、社名が残っていないか
実案件が載っているかは、AIポートフォリオチェックの重要な観点のひとつです。伏せ方を決めたら、チェックで伝わり方を確かめてみてください。
どこまで載せてよいか迷うときは、キャリアアドバイザーにも相談できます。